現在、練馬区にて相談を受けている敷地には昭和30年から40年代に多く利用された大谷石積み擁壁が残っています。よく見る風景ですが、この大谷石擁壁がなかなか厄介なのです。築50年近く経つ大谷石ですから当然劣化・損傷も多く見受けられ、安全性の確認が非常に困難で、結論としては擁壁を建て替える必要があります。と言いつつも簡単に擁壁の建て替えができる環境ではなく、また敷地が雛壇になっているため、上の敷地の大谷石擁壁が崩れてくる危険への対処も必要となり、本来の主目的である家を建てることの前に、環境を整えるために多大な費用が必要となってしまいます。
世の中はストック住宅が叫ばれていますが、上物だけではなく住宅に附随する周辺環境にも目を向けてよく注意して計画していかないといけないのだと、今回の計画で考えさせられています。
大谷石擁壁
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