先日、久しぶりに学生時代の友人から連絡をもらい数年ぶりに会うことに。
お互い美術大学を卒業して独立をし、腹を割って話せる数少ない友人の一人で、そんな彼から「所有している古いアパート1棟をどうにかしたい」という何ともざっくりとした(笑)相談を受けました。そして、近々婚約されるとのこと。(おめでとう!)それを聞いて、「是非建て替えをして新しい生活の場にすべきでは。」と即答しました。
『住まいを考えること』は『これからの人生をどう生きるか考えること』 と同じであると思います。今回のことは彼にとって、ひとつの住まいについて考えることと同時に、これからのパートナーとの生き方をじっくり時間をかけて考えるための大事な機会になるのではないでしょうか。
建て替えをするために は様々な条件をクリアする必要がありますが、友人のこれからの人生の歩みに少しでも力になることができればこんなに幸せなことはありません。
鎌倉テラスの家
先月から計画を進めている鎌倉の住宅「鎌倉テラスの家」の基本プランがまとまり、実施設計に移ろうとしています。敷地は鶴岡八幡宮から程近い緑豊かな景勝地で、敷地北側には古くから残る小川があります。小川は敷地より随分下方を流れているため直接眺めることはできませんが、この心地良いせせらぎを楽しめる贅沢な週末住宅を計画しています。構造家山田憲明氏の協力のもと、2階LDKには3間×4間のL字型大開口を実現し、33畳のLDKと14畳のテラスを一体化させるとともに外部ロケーションを室内に取り込んでいます。また、岩盤に囲まれた敷地は古くから鎌倉石が採掘できたそうで(現在は採掘していない)土地の記憶を継承する上で、建物の一部に削り出しの石を用いる計画としました。まだまだ課題は山積みですが一つ一つ丁寧に紐解いていきたいと思います。