創業100周年を迎える老舗へぎそば屋「わたや」のリニューアル計画です。既存を一部利用しながら新たにベンチ席を設け、待合いスペースやレジ廻りの物販スペースの拡張を行いました。待合いスペースに新設した格子パーテーションには織物の町である小千谷で制作された麻織生地をガラスに挟み込み、程よい透け具合により店内と待合いを緩く繋いでいます。また、新設したベンチ席の背面壁には、わたやさんの紋である「光琳蔦」を施した特注の江戸からかみをアクセントにしつらえました。
地域に根付くお店として、地元の方はもとより多くの観光客にも愛され続けるわたやさん。その土地を大切にするわたやさんの内装に地域の伝統である織物を現代の技術を使って落とし込むことで、先人への敬意と次の100年へつなぐ橋渡しになると思っています。
KENZO ESTATE WINERY/ 広尾
ワインダイニング「ケンゾーエステイトワイナリー広尾店」のリニューアル計画
ケンゾーエステイトは日本人オーナー辻本憲三氏がプレミアムワインのメッカ「カルフォルニア州 ナパ・ヴァレー」に誕生させたワイナリーで、その上質なワインは世界で広く愉しまれています。
「日本に居ながら現地ワイナリーのテイスティングが愉しめる」をコンセプトに、ナパ・ヴァレーの雰囲気を再現したテイスティングルーム第一号店を9年前にここ広尾にオープンしました。そして来年10周年を迎えるにあたり、今回装い新たにリニューアルすることとなりました。
店内は7Mのウェンジの無垢カウンターやダイナミックな壁面のワインディスプレイなど、上質で重厚感溢れるクラシカルな空間に仕上げ、広尾の街並みに溶け込むような佇まいを目指しました。
himie aoyama / 南青山
「100年先のアンティーク」
ジュエリーブランドhimie(ヒーミー)。
東京・大阪・京都に店舗を構え、普段使いのものからブライダルのものまで、一つ一つ丁寧にアトリエで制作されています。もともと南青山に2店舗展開していましたが、共に施設ビル解体のため移転を迫られ、今回1か所に拠点を集約することになりました。
ブランドコンセプトは「100年先のアンティーク」
無駄な装飾を排除し、素材の魅力とディティールの集積により、普遍的でニュートラルな空間を目指しました。例えば左官仕上げ。鏝むらと鏝押さえを同じ面に融合させています。直線と曲線、素と艶、緊張と優しさ・・・。相反する両極の概念を同時に表現することによって生まれる「静かなる主張」。それはいつの時代でも受け入れられる揺るぎない存在になると信じています。